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例会報告

紘道館1月例会報

(日時)平成27年1月11日 (場所)上野ハイツ

1月11日、新年初めての紘道館月例会が行われた。
いつも通り通訳稽古から始まったが、この日は30分ほどで切り上げ、一人1分ずつスピーチをすることになった。


テーマは・・・・「もし自分が塾頭になったらなにをしたいか。」
参加者の顔に緊張が走る。もしうまいスピーチをしたら、塾頭にさせられるんじゃないか?かといって下手なスピーチをしたらやる気がないと思われるのではないか?さらに初めて参加した数人の参加者は、そもそも塾頭ってなに?経営者?業務内容は?給料はいくらだろう???なんて思われているに違いない。


みなさんから「塾頭」と呼ばれている私は、来年も塾頭をするのか、いや、まさかな。三年間も塾頭をしたのは前例がない。高みの見物といこう・・・・と思いつつ、私の番になった。やる気があると思われても、やる気がないと思われても困るので、ありえないくらいデカい抱負を語ろうと思ったので、「中国に紘道館をつくる!」とスピーチしてしまった。


まさかこんなアホなスピーチが受け入れられるわけないとは思っていた。実際、中国共産党からみると、ディベートをやり、日本文化を研究する集団は危険分子そのものだ。塾頭はお縄を頂戴するにきまっている。
全員のスピーチが終わって、師匠が誰のスピーチがよかったか、紙に書いてわたすようにおっしゃった。その結果は後ほど発表するということで、ディベートに入った。


今月のディベートのテーマは「縄文VS弥生」。縄文のシンボルを自然に任せること、弥生のシンボルをシステマティックに管理することとした。医療における「縄文医療」と「弥生医療」についてディスカッションした結果、「医学界を縄文化すべし」というディベートテーマに落ち着いた。


当日は中国医学の専門家N氏がおられたので、東洋医学についてレクチャーしていただいた。これにより自然を重んじる東洋医学が、縄文のシンボルととらえられた。一方、戦後「夢の薬」と言われたペニシリンのおかげで不治の病とされていた結核などにかかった多くの人の命をも救われたが、対処療法を中心とした現代医学を弥生医療のシンボルとして論争が始まった。


肯定側は高齢化のため今後医者が不足するから代替医療を認めることなどを主張。それに対し否定側は日本の医療システムは世界的に見ても安全で評価が高いため、長寿国家となったこと、そしてそれは医大を卒業した優秀な医者による医療によるものと主張。


いきなり結果であるが、否定側には専門家がいたにもかかわらず、高齢化に対処するのには、特に僻地医療などに関しては医大をきちんと出た医者以外の代替医療を広めるべきとの結果に達した。


専門家の有無にかかわらず、しっかりした議論やチームワークがあれば勝てるのがディベートの面白いところでもあり、逆に言えば限界でもある。


白熱教室の時、その日のスピーチの結果発表があった。まさかとは思ったが、現塾頭の私に票が最も集まった。なんでこうなるの???と納得はいかないのだが、票が集まったからと言ってその人が塾頭を任されるというわけではないという師匠の言葉に一縷の望みをたくして(?)直会に突入した。


直会では、かつての塾頭で、造り酒屋の社長さんからうまい酒を届けていただき、みんなで乾杯した。今年もいい年になりますように。